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『ドクトル・ジバゴ』 [映画批評]

1965年の映画作品。名作の誉れ高く、私のアメリカ人の友人は娘にこの映画の主人公のラーラから名前を取ったぐらいのファンである。ということで、忙しいのに観てしまった。3時間以上の大作なので、結構、観ると疲れた。さて、肝心の内容だが、いやあ、本当にソ連の社会主義を滅茶苦茶悪く描いているなあと思う。これが事実なのかどうかは不明だが、単純なアメリカ人がこれを観たら、ソ連はこの世から消すべきだ、人間の敵だ、と思うだろうなあ。私はロシアの歴史にあまり詳しくないのだが、本当にこんな状況だったのだろうか。というか、ここまで人は変われるのだろうか。これだと、ほとんど狂信的な宗教団体のようなものではないか。ちなみに、小説『ドクトル・ジバゴ』の作家であるボリス・パステルナークはノーベル文学賞を受賞するが、ソ連から出られず、授賞式には出られなかったそうだ。どっかで聞いた話だな。

映画自体はそれほど面白いとは思えなかった。いや、それなりには面白いし、休憩の直前の展開などは声を出すほど驚いたが、基本はメロドラマである。同じメロドラマのロシアものだと、私は『ひまわり』の方が遙かにグッとくるなあ。これは、おそらくジュリー・クリスティよりソフィア・ローレンの方が好みだからという単純な理由かもしれない。

しかし、このモスクワのセットがスペインのマドリードの郊外においてつくられたというのは驚きだ。映画だと、本当、ロシアでロケしたのかと思えたからだ。こりゃ、当時はとてつもないお金が遣われたのだろうと思う。ウラル山脈のロケはどこで行われたのだろうか。これは流石にスペインではないだろう。と思っていたら、これもやはりスペインでロケしたらしい。これは驚いた。まあ、観て損はないとは思うが、これを観ないで死んでもそれほど後悔しなくていいだろう。って、死んだら後悔も何もないでしょうが。

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