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「ビートルズがiTuneにやってきた」って、それがどうした? [ロック音楽]

アップルのホームページが昨日まで、今日は凄いことが起きる、と前宣伝していたので新しい商品か何かが発売されるのかと思っていたら、ビートルズがダウンロードできるようになっただけらしい。はあっ。スティーブ・ジョブスがビートルズ・ファンであることは知っていたし、私もビートルズは好きではあるが、何を今さら・・・。ビートルズは革命児であったし、ローリング・ストーンズなんかと違って下流社会からの叩き上げでもあり、イギリスにおけるブルー・カラー層の誇りであることも理解するが(ここらへんはイギリスと日本との認識に差があって面白い。いわば、90年代のオアシスとブラーのような違いか。音楽はブラーの方がローリング・ストーンズよりは軟弱だが、出身的社会層は類似している)、それでも2010年にビートルズかよ。なんだ、そりゃ。そもそもビートルズで世界中が狂気の坩堝と化していた頃、日本ではそれほど多くのビートルズ・ファンはいなく、まあバブル時代のスキー・ブームのようなスキーは大して好きではないけどみんなやっているから私も的なファンがほとんどであったことは、渋谷陽一などが既に指摘しているところである。団塊世代の親爺どもで、自称ビートルズ・ファンで、私よりビートルズの曲やゴシップに詳しい人はわずかしかいない。そもそも、ジョンの曲とポールの曲の違いも分からない輩が多い。大宮のジョン・レノン博物館だって閉館したし。ビートルズが悪いとは言わないが、こうやってビートルズの曲ではなく、ビートルズという記号で儲けようとするような印象を受けてしまい、今回のiTuneのプロモーションには不快なものを感じてしまう。1960年代、ビートルズは偉大であった。しかし、その後、ビートルズの影響を受けた数々のバンドが世のなかで誕生し、日本にだって椎名林檎が出てきたりした。ビートルズの楽曲は素晴らしいが、その後のビートルズのメンバーが発表した曲を含めて、ポスト・ビートルズの曲の中には、ビートルズと同等かそれ以上の曲が世に出されている。例えば、アルバムでいっても、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」、スーパートランプの「ブレックファスト・イン・アメリカ」、レディオヘッドの「ベンド」、ジェネシスの「デューク」、デビッド・ボウイの「ステーション・トゥ・ステーション」、ピンク・フロイドの「狂気」や「ザ・ウォール」、ブルース・スプリングスティーンの「明日なき暴走」、ジェリー・フィッシュの「スプリット・ミルク」、ピーター・ガブリエルの「ソー」、ザ・ヴァーブの「アーバン・ヒム」などは、ビートルズの「アビー・ロード」と同等程度の存在感を個人的には有している。ビートルズがダウンロードできるのはいいかもしれないが、何を今さらと強く思う。そもそも、こんなので喜ぶようなビートルズ・ファンであればとっくにCDを購入しているであろう。ちなみに私でさえ、ビートルズの曲がiTuneに現時点で190曲入っている。なんか、バカな消費者を踊らせて、ビートルズでまた儲けようとの企みが見え隠れして不快である。

タグ:ビートルズ
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