SSブログ

ジェネシス『そして三人が残った』 [ロック音楽]

ジェネシスの1978年の作品。個人的には極めて思い入れの強いアルバムである。なぜなら、私が初めて聞いたジェネシスのアルバムが本作品であるからだ。確か、文京区にある小石川図書館で借りてきたと思われる。ジェネシスの存在も特に知っていた訳ではなく、適当に借りてきたと思われる。おそらく、邦題のタイトルがアガサ・クリスティの作品を彷彿させたので気になったのかもしれない。ともかく、それを聞いた時の衝撃はなかなか凄まじいものがあった。何しろ、捨て曲が一切なく、しかもどの曲もメロディーが素晴らしく、しかもアンサンブルも絶妙である。特に1曲目「ダウン・エンド・アウト」のフィルの蛸のように手があるのかと思うかのようなドラミング、トニー・バンクスの空間をねじまげるかのようなキーボード・ソロには驚愕した。ジェネシスはその後、AOR的なバンドとして世界的な人気を博すが、それらのアルバムと比べても、このアルバムの11曲の方がメロディアスで素晴らしい。強いていえば、個人的に一番気に入らなかった曲は最後の「フォロー・ユー・フォロー・ミー」であり、これがシングルとしてジェネシスとしては当時画期的なヒット曲になったということは、その後の私とジェネシスの関係性を暗示しているようで嫌だが、それを除けば「バーニング・ロープ」、「ディープ・イン・ザ・マザーロード」、「レディー・ライズ」、「シーンズ・フロム・ア・ナイト・ドリーム」などの佳曲揃いでケチをつけることが難しい。ただし、「バーニング・ロープ」のギター・ソロはスティーブ・ハケットが在籍していれば、もっと情緒的で心を揺さぶるように弾いていただろうにと思わずにはいられないのと、次のアルバムの『デューク』があまりの傑作であるために、本作はあまり顧みられていないのは残念である。といって、私もあまり顧みていないのだが。

And Then There Were Three

And Then There Were Three

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
  • 発売日: 1994/11/29
  • メディア: CD



そして3人が残った(紙ジャケット仕様)

そして3人が残った(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: CD



nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1