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『男はそれを我慢できない』を観て落胆する [映画批評]

下北沢の道路計画を揶揄した竹中直人主演の『男はそれを我慢できない』を講義で学生に見せる。これは、8月に参加したシモキタ・ヴォイスで知り合ったもりばやしみほさんの強力なプッシュがあったからだ。すなわち、シモキタの問題を理解するならこれを観なくちゃあだめよ、みたいなプッシュである。まあ、それほど推してなかったかもしれないが、私は、直感的にこれはマストだなと理解した。ということで学生達と一緒に観る。本当は自分で事前に観るべきだったのだが、この頃、恐ろしく忙しいので放っておいたのである。しかし、これが間違いのもとであった。

この映画は道路計画をソープランド立地計画として揶揄し、それなりに道路批判をしている筈だと思われるのだが、あまりのオバカ・ギャグの連発と破廉恥なドタバタで、何が何だか分からなくなる。鑑賞後、何か、メッセージが伝わったのかと考えても、あまり伝わっていないことに愕然とする。道路問題を考えるというよりかは、男はただの助平であるということを伝えようとしているのかとさえ思われる。ただし、それは猫がまたたびに負けてしまうというような低俗なレベルであり、さすがそこまで情けなくはないだろうと思ったりする。この映画から下北沢がおかれている危機的状況は理解しにくい。私でさえそうなのだから、学生には何が何だか分からないであろう。これは、ただのシモキタを舞台にしたハチャメチャ・ギャグ映画である。ギャグ映画として観たとしても、そんなにクオリティは高くなくて、貴重な講義を使ってまでも観るような映画ではなかった。学生達にも申し訳ないことをしてしまった。

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