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石垣島に行き、盛山村跡の御嶽のごみ拾いを行う [サステイナブルな問題]

石垣島に行く。ニューヨークから1泊しただけで行ったので時差がきつい。石垣島では、盛山村の御嶽のごみ拾いをゼミ生達と行った。盛山村は新しく整備されようとしている石垣空港のすぐそばに位置する。竹富島の人口が増えたので、1771年から村場切りが行われ、4つの村落に強制移住させられたのだが、そのうちの一つがこの石垣島の盛山村であった。しかし、ここはマラリアの地で結局移住をした523人のうち、1人しか残らなかった。この女性はドッケマという名前で、この方を謳った歌や、この歌をベースにした舞などもある。我々は、ごみ拾いをする前にこの貴重な舞を見せてもらった。舞をしている女性が感極まって涙を流し、我々も感動した。

さて、竹富島から盛山村へ移住させられた人々は御嶽をつくり、そこで人々は祈りを捧げていたのである。しかし、その後、拝殿が火災で焼失し、管理者もいなくなり荒廃し現在に至っている。しかも、新空港の建設に伴う土地改良などで周辺は道路が整備されたりして、環境は激変した。現在でも竹富島の人は年に1度はこの御嶽を訪れ、祈りを捧げるのだが、その荒廃には心を痛めていた。石垣市の教育委員会は、この場所を市指定文化財に1年半前に指定したが、その清掃を一切することはなかった。そういう経緯で、市がしなければ自分がしようと動き出した女性がいて、そこにちょうどタイミングよく我々がゼミ合宿で石垣島に行くことになったので、お手伝いをさせてもらったのである。

この御嶽は鬱蒼とした樹木が生い茂り、ちょっと小高い丘のようになっている。大きさはフットサルのコートくらいであろうか。しかし、近づくとそこはまさにごみ捨て場と化していた。早速、ごみを拾い始めるのだが、ごみが土や岩と混然とし、そして木の根っこも絡まっていて、簡単に拾えるような状態ではないことが分かった。また、ごみの上にごみが堆積しているような状態であり、我々が最初にみたごみはまさに氷山の一角であることが分かった。とはいえ、とりあえず取り始める。ごみの多くは温室のために使われるビニールシートであった。銀、黒、白のビニールが散乱している状態は汚い。聖なる地をここまで平気で汚せるのは、無知ゆえか。それとも、何かしらの意図があるのだろうか。

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作業は永遠に続くかとも思われた。歩道にはゴミ袋で40袋くらいのゴミがすでに集められている。これ以上、ゴミを歩道に置くのも厳しいかという判断と、暑い中の作業で疲れてきたこともあり、昼過ぎには作業を止めることとした。ゴミを全部、拾うこともできず、中途半端ではあったが、この御嶽の聖性をまた再生させていくための一歩は踏み出せたのではないかと思われる。

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なぜ、我々は聖なるランドスケープが必要なのか。まだ、この点に関して整理がされていないので、ここで記すことはしないが、いろいろなことを考えさせてくれた石垣島でのゴミ拾いであった。

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