SSブログ

ドイツをレンタカーで旅して、つくづくドイツは全員サッカーのような分散型のような国土構造をしているなと気づく [ドイツ便り]

デュッセルドルフを発ち、ドルトムント、ライプチッヒ、ニュンベルグ、ミュンヘンと宿を転々とするレンタカーでのドイツ旅行をした。途中、ハレ、デッサウ、バンベルク、レーゲンスブルクといった都市にも立ち寄った。さて、そこで改めて気づかされたのが、ドイツというのは、中心選手はいないかもしれないが、すべての選手がそこそこに能力があって、チームとしては多種多彩な人材から構成されているような都市を有する国だなということである。こういうことを書くと、ベルリンという中心選手がいるじゃないかと指摘されるかもしれないが、ベルリンは既にピークを過ぎた年俸(人口)こそは高いが、それほど人気もなければ能力もない(強いて言えばメディア産業に関しては優位性を誇っている)ベテラン選手のようなものである。決してドイツを引っ張っているような選手ではない。名前だけがビッグで集客性もあるが、ベルリンに頼らず、ハンブルク、ミュンヘンといったスターがしっかりと試合をつくり、さらにケルン、デュッセルドルフ、シュツットガルト、フランクフルトといった元気どころが点を稼ぎ、またニュンベルク、ブレーメン、エッセン、ハノーファー、ドレスデン、ドルトムントなどの脇役的レギュラーも与えられた役割をしっかりと務め、さらにライプチッヒ、カッセル、カールスルーエ、ミュンスター、アーヘンといったサブ的な都市が試合状況に応じて効果的な仕事をすることで、ドイツという国家は多彩でかつ柔軟性のある対応を可能とさせているのではないかと考えられるのである。

翻って日本の状況を鑑みると、東京というチーム・リーダーが他の国に劣るとチーム全体に悪影響を及ぼすという考えが広まっていると思われる。そのために、東京へ過度に資本や人材、エネルギーが投入され過ぎている。その結果、東京はそれなりに他国の首都クラスの都市と張り合えているが、東京以外の都市の疲弊は大きい。その代償を考えると、トータルでは東京優遇策が果たして賢明であるかは不明である。ドイツのようにベルリンがパッとしなくても、他の都市の頑張り(この十年くらいではハンブルク、ミュンヘン、シュツットガルトの頑張りが大きい)によって、国としての競争力を維持するといった全員サッカー、トータル・フットボール的(これはオランダの戦略であるが)なアプローチを国としても展開できるといいのにと思わずにはおられない。また、この地方都市の競争力を掲げるという話をすると、すぐ道路や港湾などの社会基盤整備に力を入れたがるが、本当に必要なのは人材力である。すなわち、人材の育成に力をかけるのと同時に、優れた人材の流出を防ぎ、その確保を図るような都市経営が国家レベルで推奨されるべきだと思われる。

nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1