SSブログ

『Shrinking Cities, Vol.2』 [書評]

フィリップ・オスワルト編集の『Shrinking Cities, Vol.2』を読破する。831頁の電話帳のような本だ。これに30頁の付録もつく。目次だけで5頁にも及ぶ大著である。読み始めてから終わるまでに2週間くらいかかった。一日50頁を目処に読んだが、まあほとほと疲れた。この2週間はこの本を読むのに結構、時間を取られたといえよう。たかだか50頁と思われるかもしれないが、この本は分厚いだけでなく字も小さいのだ。老眼の兆候が多少、見え始めている私には厳しい小ささだ。

さて、そんなことはともかく内容だが、大きく「倒壊」、「再評価」、「再編成」、「想像」の4つのテーマと縮小都市にて生活する人々のルポルタージュが付録として付け加えられている。「倒壊」には「倒壊される都市」、「変革する都市」、「野生の都市」、「収縮する都市」、「消耗する都市」、「両極化する地域」といった6つのサブテーマから構成される。論文と事例紹介という二つのアプローチによる解説、分析は「縮小」という現象を理解するには極めて有効である。

David HarveyやRobert Fishmanなどの著名人の論文、エッセイをも80編も含む本書を読めば、「縮小」を取り巻く多面的な問題がとりあえず理解できると思われる。論文、エッセイは玉石混淆ではあるが、それでも駄文というものはほとんどない。ドイツとイギリスが中心で、ちょっとこれにアメリカが加わるといった内容は偏ってはいるが、それでも「縮小」を経験している日本が学ぶ点は多く、是非とも読むことを勧める。ただし、私は読むのに時間が非常にかかった。読んだ後はひたすら疲労感が漂う。

Shrinking Cities: Interventions

Shrinking Cities: Interventions

  • 作者: Philipp Oswalt
  • 出版社/メーカー: Hatje Cantz Pub
  • 発売日: 2006/09/30
  • メディア: ペーパーバック



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0