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ドイツ人は食い放題が好き? [ドイツ便り]

ドイツ人の友人とスペインへ旅行をする。同じホテルに二泊する。朝食はバイキングで12ユーロぐらいであった。最初の日はここで朝食を取った。これが酷い代物で、野菜はゼロ、ハム、チーズ、ソーセージはドイツより遙かに酷いレベルの代物であった。ハモンがあったので多少期待して口に入れたが、おそろしく油っぽくて、相当の安物を使っていると思われた。ケーキも置かれていたが、チーズ・ケーキなど思わず戻しそうになるほど不味かった。このバイキングで食べられるものはオレンジ・ジュースとコーヒーだけだと思われた。スペインの料理文化は結構、しっかりとしているのは知っていたので、これは外国人観光客だからと舐めきった料理を置いているからだと思われた。ちなみに、ホテルはアメリカ系のホテル・チェーンに買収されたところであった(別に隠す必要もないので明らかにするとベスト・ウェスタン系)。

二日目の朝食は、流石にここで食べるのは酷いと思ったので、友人にカフェでコーヒーと軽くパンでも食べようと提案する。友人はそこで不満そうな顔をしたが、私の提案にのってくれた。さて、展望が開けたオープン・カフェがあったのでそこで食べることにして、コーヒーとサンドイッチを2つほど頼む。4ユーロ50セントであった。このサンドイッチは小さかったが、海老とキュウリが入っていたりして、私はその味に非常に満足した。コーヒーもホテルのものよりは美味しかった。さて、しかし、この朝食に友人が不愉快千万といった対応をしたので驚いた。最初はなぜ不愉快かも分からなかったのだが、こんなちっぽけなものに4ユーロ50セントも払ったことが悔しくてしょうがないということであった。ホテルで食べれば12ユーロで食い放題が出来たのに、悔やみきれない、ということであった。私はちょっと申し訳ないなとは思ったが、とてもあの朝食に12ユーロも払えないし、払ったとしてもオレンジ・ジュースとコーヒーとトーストくらいしか食べられないので、コストパフォーマンス的にはすこぶる悪いので彼の不満は共有できなかったのだが、その考えの違いは面白いと感じた。友人の家にはたびたび泊まらせてもらっていたので、彼が朝食をたくさん食べないことは知っていた。したがって、彼が不愉快になったのは、朝食の量の少なさではなくて、食い放題の機会を逸したことであることは明らかだ。それが、例え不味くても、この食い放題というのはとても彼にとっては魅力的なメニューであったのだ。

よくドイツ人は味よりも量、と言われる。私はドイツ料理も結構、味がよかったりするので、それはどうなんだろうと思ったりしていたが、ちょっとした事件で、本当に量が大切なんだなということを知った。取りあえず、味よりも量。食い放題のようなことに大きな価値を置いているのだな、ということを一人のサンプルからではあるが、そういう仮説を立てるには説得力のある体験をした。とりあえず、彼が日本に来ても高くて美味しい寿司屋ではなくて、安くてもたくさん食べられる寿司屋に連れて行くことにしようと心に固く決意する。

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