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ドイツ人はかけ算が苦手? [グローバルな問題]

次女は小学校二年生であるが、ドイツの学校に行っているので九九を学ばない。これは結構、問題だ。そこで大学の同僚のドイツ人にどうやってかけ算を覚えるのかというと覚えないと言う。特に私の同僚が小学校に行っていた当時は、実験的な試みをしていたので、そもそも数字も使わないような算数の授業を受けていたそうだ。「僕は犠牲者なんだ」と言う彼の話を聞いて、ゆとり教育の被害者の日本の学生のことが頭をよぎる。まあ、彼の場合は極端かもしれないが、日本の九九のような素晴らしき知恵がないドイツでは、かけ算は記憶してないそうだ。それじゃ、どうやって4×4は計算するんだい、と聞くと、彼は「4×1=4,それに4を足すから4×2=8,そしてさらに4を足して4×3=12,そうやって続けて4×4=14」。え!フィアツェーン!と驚いたが、突っ込まないで黙っていた。私の同僚は20代で論文がバウハウス賞を取るほどの俊英である。しかし、こんなインテリでも4×4をも間違えるのか。まあ、これはたまたまミスっただけかもしれないが、それにしても驚いた。

次女は九九をなぜ、覚えなくてはならないのか、と言って随分と反抗しているが、いや、やはりこれは覚えるべきであろう。これがないと、私の同僚のような秀才でさえ、さっとかけ算が出来ないのである。この数字に強いということは日本人にとって、国際競争力の礎ともいうべき資源だと思う。インドは二桁の九九をやっているとか、19×19までは暗記しているなどと言う節も聞くが、まあその真偽はともかくとして、この数字のセンスを磨くことで失うことはない。私の同僚は地図とかに滅法強く、逆に統計にはすこぶる弱いのだが、彼のこの統計の弱さは数字が苦手であるからだなと納得する。まあ、彼の場合は数字の弱さを、地図情報を読解する図抜けた能力で補い、一流の研究者をやっている訳であるが、そんなのは天才でしか通用しない離れ業だと思う。いや、逆にドイツとかに差をつけるためには数学教育をしっかりとやることだなと思う。

冬期オリンピックをみるにつけ、つくづくこういうスポーツの分野ではドイツには全く歯が立たないなと思わせられていたが、数学教育に弱点を見出した気分だ。英語なんかをしてもドイツには日本人は絶対適わないが、数学なら勝てる気がする。バイアスロンに力を入れるのではなく、フィギュアとかスピードスケート(スピードスケートでもドイツに僅差で負けて銀メダルになったりしたが)とか日本人が競合できるものに力を入れるべきだと思ったりするのだが、同様のことは数学、算数教育にも言える。英語なんて、ドイツ人はもちろんのこと、オランダ人や北欧の人々どころか、チェコ人やポーランド人やロシア人にだって歯が立たないんだから、やっぱり国際競争力を持てるところに教育の力点を置くべきだろう。ということを強く感じる。

そうそう、英語のことでさらに冷や水を浴びせると、次女の同級生でインターナショナル・スクールに通っている子達は、8歳で英検準2級に結構、合格する。私が奉仕する大学の幾つかの学科では、英検準2級を持っていると、AO入試の条件の一つを満たすことになる。しかし、英検準2級なんて、インターに通っていると8歳で取れるレベルなのだ。こんな馬鹿な基準を設けることで、果たして国際的な競争力のある人材を育てることができるのだろうか。一度、再考した方がいい。

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