SSブログ

ポーランドの料理は意外なことにドイツより美味しかった [B級グルメ雑感]

ポーランドのクラクフに来ている。ポーランドの料理はまったく期待していなかった。東欧はチェコとハンガリーに行ったことがあるが、どちらも美味しいものに巡り会えたことがなかった。ということで、ポーランドもまったく何も期待せずに、とりあえず不味くなければいいやとくらいの気分で店を探した。さて、初日の夕食。『地球の歩き方』に書いてあるポーランド料理を出すレストラン「ヤレマ」に行く。これは今、振り返ると、他のレストランに比べて大きく劣った。本当、『地球の歩き方』のお勧めのレストランで当たったところは数少ない。それはともかく、とりあえず典型的なポーランド料理といわれるピエロギを注文する。これは、水餃子のようなものだが、ちょっとお酢の味付けが強い。これはビールと合ってそんなに悪くはない。とはいえ、さすがに中華料理の水餃子のほうが遙かに美味い。メインはグーラッシュを注文する。グーラッシュとはいえ、牛肉ではなく鶏肉で、ソースもクリームからつくられたものであった。ポーランドのグーラッシュとはドイツやチェコとは随分と違うなあと思って食べていたのだが、こうやって改めて書いているともしかしたら違う品が来ていたのかもしれない。これも可もなく不可もなく、まあドイツの普通のレストランのレベルであった。文句を言うほどでもないが、再訪したくなるようなレベルでもないということだ。

IMG_0769.jpg
(ピエロギ)

IMG_0770.jpg
(グーラッシュを注文した筈なのだが・・・)

2日目の昼食はアウシュビッツのあるオシフィエンチム駅前のレストラン「スコーピオン」に入る。蠍食堂というおどろおどろしいネーミングのレストランである。店内にも蠍の装飾品が置かれたりして、ここらへんのセンスはよく分からない。ここでもやはりポーランド料理のジューレックといわれるスープ、そしてじゃがいものパンケーキのハンガリー・ソースがけを注文する。ジューレックはやたらお酢が入った酸っぱいスープであった。玉子とハムが入っていて、まあコンビネーションはそんなに悪くはないが、食文化的には我が国よりは遙かに劣っているなと思わせられた。じゃがいもパンケーキも小麦粉のパンケーキより劣り、なぜパンケーキをじゃがいもではなく小麦粉でつくるのかがよく分かった。このじゃがいもパンケーキは大量で出てきて、しかもハンガリー・ソースというのが牛肉を煮込んだシチューのようなものであり、私でも食べきれなかった。

IMG_0833.jpg
(ジューレック。ひたすら酸っぱい)

IMG_0834.jpg
(じゃがいもパンケーキ。しかし主役はソースの方ではないのか)

さて、そんなこんなで、まあドイツ並みかなという印象を抱いていたポーランド料理であったのだが、この日の夕食でそのような考えを大いに払拭させられるレストランに入る。織物市場にあるSZARAというレストランで2008年と2009年にミシュランに掲載された店であった。ミシュランということで多少、気も引けたが料金は決して高くない。ここでは、トナカイのペースト、がちょうのモモ焼き、そしてハンガリーの赤ワインをボトルで頼んだのだが、一人5000円もしなかった。しかし、その味は特別なものであり、野性的で濃厚でいて、しかし繊細に調理されていた料理は、このクラクフという都市が相当の文化レベルにあることを知らしめさせてくれた。もちろん、値段の違いというのはあるのかもしれないが、正月に訪れたフランスのどのレストランよりも美味しい料理をまったく期待していなかったポーランドにて食することができたのである。

IMG_0918.jpg
(発音ができないが、この店は超お勧めである。どうして、こういう店は「地球の歩き方」に載ることがないのだろうか)

IMG_0912.jpg
(ガチョウのモモ焼き。林檎と洋梨の焼き物も出る。これらも超絶美味)

IMG_0916.jpg
(店内の様子)

この日は食後にトラム・バーという庶民的なバーに立ち寄り、ブラック・ロッシャンを飲む。しかし、ウォッカより日本の焼酎の方が絶対旨いと思う。

IMG_0920.jpg
(やはりポーランドはウォッカということで。ちなみにポーランドではワインはつくっていない。ビールはあるが、ウィスキーはない。話は変わるがちょうどバンクーバー・オリンピックのラージヒルのスキージャンプが行われていて店のテレビで放映されていたのだが、葛西が大ジャンプをした時、私も祝福された)

IMG_1025.jpg
(トラム・バーを昼時に撮影)

最終日の昼食も織物市場に面しているレストランに入る。名前は残念ながら忘れたが、ここの料理も結構美味しかった。豚のトンカツ、いわゆるシュヴァインシュニッツェルを注文したのだが、ザワークラウトといい、ドイツの普通のレストランで出てくるものよりも、より丁寧につくられて繊細な味を出していて美味しかった。ポーランド侮れない。さすがコペルニクス、ショパン、キュリー夫人、バーシアを輩出するだけのことはある。

IMG_1015.jpg
(ポーランドのシュヴァインシュニッツェル。ドイツより味は上だった)
nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0