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ポーランドの古都クラクフを訪れる [都市デザイン]

デュッセルドルフ中央駅での置き引きという、自分自身の迂闊にも自責の念が絶えない事故の出会ったのだが、ここでめげてはならないと決意をして、ワルシャワには行けなかったが、旅程通り、クラクフには行くことにした。しかし、流石に列車ではなくて飛行機で行った。しかも、2泊3日の行程になったにも関わらず、敢えて鞄を二つ持っていき、置き引きのトラウマを振り払うようにしてみた。

さてクラクフ空港は随分と田舎っぽい空港であった。私が乗っていたエアベルリンを始め、イージージェット、ライアンエアといった格安航空会社の機体しか見えなかった。空港もマカッサルよりもみすぼらしいものであった。ここでレンタカーをする。レンタカーの受付の男性は英語が達者であった。空港からクラクフまではそれほど遠くなかったが、高速道路ではなく下を走らされる。デュッセルドルフではすっかりなくなった雪が、ここではまだ積もっていて、見渡す限り白銀の世界である。ホテルはホテル・ロイヤルという三つ星のホテルで結構、安かったが建物はしっかりしていてインターネットも無料であった。ここらへんの割安感は旅行者としては有り難い。

さて、クラクフの見所はなんといっても世界遺産にも指定されている旧市街地であろう。ポーランドで最も歴史のある都市であり、ヴァヴェル城、マリアンヌ教会、織物市場、といった見所がある。それに加えて、スピルスバーグの映画『シンドラーのリスト』の舞台となったユダヤ人コミュニティ、カジミェシュ地区もある。個人的にはヴァヴェル城の中にある大聖堂に感心した。骨格はゴシックであるが、礼拝堂がルネッサンス式であり、また煉瓦造りであることから、ドイツのゴシック教会にはない優しさに溢れている。同様に感心したのは旧市街地にあるマリアンヌ教会である。14世紀に建てられたゴシック様式の教会であるのだが、その塔の装飾の美しさはほれぼれとする。この教会も煉瓦造りであり、ドイツのものとは一線を画す。ドイツのゴシック教会はあまり好きになれない私だが、この教会には大いに惹かれた。内部空間も素晴らしいものであった。

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(ヴァヴェル城から市街地を望む)

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(ヴァヴェル城の中にある大聖堂)

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(織物市場とマリアンヌ教会)

カジミェシュ地区は『シンドラーのリスト』を観たあと訪れると、グッとくるものがある。シンドラーはまさに第二次世界大戦中にクラクフで活躍した人であるが、この地区には当時の彼とユダヤ人達の生活の息吹が今でも感じられるようだ。日曜日に訪れたこともあり、ちょうど市場が開催されていた。市場はガラクタやボロのようなものばかりが売られており、クラクフの流通環境が結構、まだ未発達であることを知る。

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(カジミェシュ地区の青空市場)

ポーランドは第二次世界大戦において、ドイツ軍によってワルシャワを始めとしてほどんどの都市が壊滅されてしまった。しかし、このクラクフはドイツ軍の司令部が置かれたために、破壊されずに済んだ。また、連合軍はこの都市の歴史的建築物を破壊しないために爆撃を避けた。ということで、奇跡的にポーランドにおいて歴史的な旧市街地が保全されたのである。ある意味、まだ観光地としてそれほどメジャーになっていないために、プラハより味というかキャラが保全されている印象を受ける。そういう点で、置き引きというダメージを克服して、敢えて訪れた甲斐があった。周辺にはこの旧市街地に加え、アウシュビッツ、ヴィエリチカ岩塩抗がある。なかなか、そういう点では優れた観光地であると思った次第だ。

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