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ドイツ最古の都市トリーアを訪れる [地球探訪記]

トリーアはラインラント・プファルツ州の都市でコブレンツからモーゼル川を上流へとのぼっていった所にある。コブレンツから特急で1時間20分ぐらいかかる。モーゼル川に沿って走るコブレンツからトリーアまでの車窓は、ドイツでも有数の美しさだと思われる。モーゼル川がつくりだす谷と、その谷を埋めるように展開するワイン畑と時折現れる白い壁と灰色の屋根の家々が織り成す風景は、非常に美しい。ライン川下りで有名なマインツからコブレンツまでの車窓よりもこちらの方が美しいと思うぐらいだ。

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(モーゼル川を車窓から望む)

さて、トリーアであるがドイツ最古の都市であり、ローマ時代には植民地であり、第二のローマとも言われていた。しかし、世界遺産として指定されているローマ時代の遺跡をみても、ローマと比べると随分と遜色があるなと思う。ドイツにおいて観光するのであれば価値があるが、第二のローマというのはちょっとどうかなと思ったりもした。同じローマの植民地ということでは、イギリスのバースの方がずっと感心した。まあ、アルプスを越えればイタリアなのだし、トリーアにローマ時代の遺跡を見にいくよりかはちょっと頑張ってイタリアに行った方がドイツ人ではない私はいいかなと正直、思ったりはした。とはいえ、ドイツにおけるローマ帝国の遺産という観点からすれば、まあ面白いし、ポルタ・ニグラの存在感はなかなかである。

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(ポルタ・ニグラ)

全般的には同じ日に訪れたルクセンブルクの方が、遙かに強い感銘を受けた。とはいえ、トリーアの旧市街地の歩行者動線のつくり方はルクセンブルクのそれよりも優れている。ドイツ人のここらへんの都市デザインのセンスのよさというのは何なんだろうか。とても興味深いものがある。広場のつくりかたなども、機能的で優れていると思う。街並みの面白さという点では、戦災で結構ぐしゃぐしゃにされたトリーアに比べると遙かにルクセンブルクの方が優れていると思われるが、歩行者動線の設計の仕方などはトリーアの方が優れていると思われるのである。その背景には公共性に対する意識の違いがあるのではないかと思ったりしている。
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(トリーアの旧市街地)

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(即席のように広場に立つワインバー。トリーアはモーゼル・ワインの生産拠点でもある)

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(旧市街地の広場。ヒューマン・スケールの空間のつくりかたは、なかなか優れている)

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