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デュッセルドルフのビール醸造所に行く [ドイツ便り]

デュッセルドルフは地ビールのアルトビールで知られる。ビールには大きく2種類ある。上面発酵のエールと下面発酵のラガーである。日本はほとんどがラガービール。これは大量生産が可能であるためである。ラガービールの中でもチェコのピルゼン地方でつくられたピルスナーが主流だ。ドイツではラガーを注文する時はピルスと言えば通じる。ドイツでもピルスが主流である。もう一つのエールは、ラガーが出現する前までは主流のビールであった。ピルスという、より優れた商品が出現したことによって市場から駆逐されたのであるが、このエールビールがまだ幅をきかせている地域がある。イギリス、アイランド、ベルギー、そしてこのデュッセルドルフ周辺である。アメリカでもエールはあるが、どうも通常のラガーよりアルコールが濃いとエールと呼ぶらしい。

さて、ラガーが主流のドイツで有名なエールはケルンのケルシュ、ベルリンのベルリナー・バイシュ、そしてデュッセルドルフのアルトビールである。ケルシュはまだ未経験だが、ベルリナー・バイシュは一度、飲んで懲りたことがある。アルコールが薄く、イチゴ味やラスベリー味がつけられてストローで飲むというふざけたビールであり、二度と飲みたいとは思わない。しかし、アルトビールはなかなか美味しい。ピルスビールと比べてどっちか、と言われると難しいところもあるが、ご当地ビールということで結構ひいき目な気分で美味しく飲んでいる。

さて、そのご当地デュッセルドルフにはこのアルトビールの醸造所が市内に4つある。そして、これらの醸造所はビア・レストランも経営しており、このレストランで飲むのが一番、美味しいビールにありつける方法らしい。ということで、デュッセルドルフ滞在中に4つほど制覇したいなと思ったのだが、とりあえず最初にシューマッハーというビア・レストランに語学学校のクラスメートと行く。ここでは当たり前だがシューマッハー・アルトが出される。アルトビールは2.5リットルぐらいのグラスに注がれてやってくる。他の飲み物も注文できるが、店員は基本的にアルトビールを注文するという前提でサービスしている。アルトビールが空になるとすぐ空のグラスが持っていかれ、新しいグラスが置かれる。便利といえば便利であるが、こういうサービスだと本当にビールをひたすら飲んでしまうな、と思う。このシューマッハーというレストランは結構、有名らしく、金曜日ということもあって大いに賑わっていた。我々は予約をしておいたのだが、これは正解だった。メニューはアイスヴァインやシンケン・シュニッツェル(トンカツ)、ギャートルズがいつも手にとっていたような骨付きの肉の固まりであるシュバインス・ハクセなどである。ツケ野菜はマッシュド・ポテト、ザワー・クラウトなどで、これでもかというようないわゆる外国人がイメージするようなドイツ料理が出されてきて、観光客には堪らない店だと思う。私が注文したのはシュバインス・ハクセ。私も、ドイツに住んで日が浅いので結構、楽しめた。ただし、量は多すぎ。食事を残すのが非常に嫌いな私でも、身の危険を感じて全部食べるのをやめたくらいである。ドイツの食文化は貧困であるというようなイメージがつくられているが、アルトビールというちょっと癖はあっても、日本より美味しいビールをたらふく飲んで、結構、美味しい肉料理を食べていると、なんか幸せな気分になる。食べること、飲むことということに関しては、結構、楽しめている国なのではないかと思った次第である。とはいえ、ここはデュッセルドルフなので、全ドイツに一般化することは現段階では慎むべきであろう。

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(凄まじいボリュームのシュバインス・ハクセ)
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(語学学校の連中と記念撮影。ビールのグラスの大きさは結構、謙虚であることに注目)
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(昔、あまりの不味さに記念に写真を撮影したベルリナー・バイシュ)

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