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ドイツのシティ・バンクで銀行口座を開設できず、憤慨する [ドイツ便り]

ドイツで銀行口座を開設するために近所のシティ・バンクに行く。近所といっても、デュッセルドルフの都心、いわば銀座みたいなところの支店である。火曜日の11時頃である。窓口に行き、要件を英語で告げると英語が話せないので、と言ってしゃべれる行員を連れてくる。その行員は、口座を開設する業務担当は今、いないのでまた来て下さいという。今日ならいつでも来られる、というと困った顔をして、今日は駄目です。明日でどうですか、と言ってくる。明日は用事があるので、それでは明後日の朝の10時で、と約束をしたのだが、なぜ、銀行で口座を開設するのに、その業務担当者が不在なのだろうか。そんなに銀行で口座を開設することが大事業なのか。これは顧客喪失に繋がらないのか。このようなサービスでも顧客喪失に繋がらないというのは、他の銀行のサービス・レベルも酷いということか。いろいろと納得しない気持ちでその日は立ち去る。

さて翌日、大学に行き同僚にこの話をすると、「ドイツにようこそ」みたいなリアクションだったので、これはドイツ全般にいえることかなとちょっと驚く。さて、木曜日の10時にシティ・バンクに行く。どんな担当者だろうと思っていると、随分と若い新米のような女性であった。パスポートと住民票を出して欲しい、と言われて住民票を忘れたので自宅に取りに行く。その時に、最初に2500ユーロ預金して欲しい、と言われ、随分と多いなと思ったが、それも取ってくることにした。さて、住民票と2500ユーロを持って銀行に戻り、これで問題はないだろうと思ったら、私のパスポートに入国したスタンプがないという言いがかりを、若い担当者ではなくて火曜日に担当者がいないから駄目ですと言ってきた行員がやってきて伝えた。なんだ、この行員が仕切っているのか、とその時、理解する。ちなみに、入国のスタンプはしてあるので、これがそうだろう、と言ったら、そのスタンプとは違う、と言ってくる。ここで、あまりの馬鹿らしさに、もうここでは開設しないと立ち去る。ただし、立ち去る際に、「私はシティ・バンクの顧客を20年間しているのに、何でドイツで開設できないんだ」と言ったら、「それは日本だろう」と言い返したので、「いや、アメリカのシティ・バンクの口座ももっている」と言ったら(すべて真実)、ふうんというリアクションをしていた。

それにしても、2500ユーロいきなり預金する顧客をみすみす手放すとは何なのか、とまったく理解不能な状態でシティ・バンクを出ると、隣にドイツ銀行があった。1年間しかドイツにいないので、ドイツ銀行に口座をつくる気はなかったのだが、シティ・バンクの言いがかりが正論であったら困るなという気持ちが1%くらいあったので、ドイツ銀行に行き、口座を開設したいのだけど、と言ったら、はいはいはい、毎度有り難う、という感じで、パスポートもまったく問題なく、あっという間に口座を開設してくれた。かかった時間はおよそ20分であった。その際、どの口座を開設するか、という口座ごとの詳しい説明までしてもらった。インターネット・バンキングができることや、振り込みができることが必要といった私の要望に合うよう、さっさっさっと事務手続きをしてくれた。口座開設のための最低預金額は幾らか、と聞くと無料であった。その代わり、口座開設維持費が一ヶ月4ユーロかかる。これは高いなと思ったが、シティ・バンクのために私が失った機会費用だけで、48ユーロはいったと思うので、問題はない。

とはいえ、こう簡単にドイツ銀行で口座開設ができてしまうと、シティ・バンクの対応が本当に不可思議である。そもそもシティ・バンクの顧客ターゲットは私のような外国人であると思うのだ。その外国人に口座を開設させないというのは、どういう了見があるのだろう。そもそも、開設させないなら最初から説明すればいいのだろうが、まあ、それだといろいろと軋轢が生じるから、なんだかんだといちゃもんをつけて諦めさせるという戦略を取っているのかもしれない。しかし、銀行の業務というのは顧客を増やし、その顧客の預金を投資して利益を得るというものではないのか。それとも、法人相手に専念し、個人相手の業務は縮小しているのか。それなら、最低預金額を2500ユーロなどみみっちいことを言わずに、25000ユーロにすればいいだけの話である。パスポートのスタンプなどという、まったくちんぴらの言いがかりみたいな理由を持ち出すところが何ともいえず、シティ・バンクの長年の顧客としては悲しい。というか、将来、まずいんじゃないか、シティ・バンク。私のシティ・バンクにある貯金ももしかしたら撤退した方がいいかもしれない。シティ・バンクに対して、たいへん強い不信と危機意識をドイツで抱いた。


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