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ドイツでは自動車泥棒が多い [ドイツ便り]

 ドイツでは自動車泥棒が多いそうだ。これは、ドイツ人というよりかは、ポーランドやロシアの組織的犯罪らしいのだが、多い理由は自動車泥棒に対して警察があまりしっかりと対応しないかららしい。また、盗まれる方は保険がカバーしてくれるからいいや、と思ってあまり苦情も言わないらしい。保険会社は保険会社で、絶対に損はしないように対応するので、結果、保険金をべらぼうに高くしている。つまり、保険加入者達に全部、しわ寄せが来ているのである。
 これは、保険というシステムを通じて、自動車泥棒を金銭的に支援しているようなもので、誠にもって馬鹿らしい。本来的には、警察組織を税金によって支援しているので、警察がしっかりと自動車泥棒を取り締まればいいと思うのだが、警察は警察で他で忙しいらしくて、自動車泥棒を追いかけている余裕はないらしい。
 しかし、そこで盗難保険に入ってしまうということは、むしろ盗難されることで「元が取れる」ような状態になってしまうので、自動車泥棒をなくすインセンティブはまったく機能していない。これは、絶対おかしいし、保険会社の社会的意義も問われてくる、というか保険会社がむしろ社会的にとって不必要である状況をもたらしている。
 この自動車泥棒「支援」システムのどこを改善すればいいのか。それは、自動車泥棒をしっかりと懲らしめて、自動車泥棒することが相対的に不経済であるような状況をつくればいいのである。そのためには、警察の検挙率を高めるように制度を変えたり(例えば、泥棒を捕まえることの警官へのインセンティブを高めたり、そのための費用をカバーするために保険金に支払っていたお金をこちらに回したりする)、徹底的に取り締まって、自動車泥棒をした罪を重くしたりすればいい。そちらの方が遙かにましである。
 というのは現状のシステムを放置していくと、自動車泥棒をすることが経済的なので、どんどんと泥棒が増えていくだけであるからだ。そして、その増えた分だけ、保険料が高くなり、結果的に保険に入っている人達が、自動車泥棒を痛み分けではあるが支えることになってしまう。
 ちょっと考えると、保険に入らなければいいや、ということに気づくのだが、保険に入ることが半ば義務化されているので、結局入ってしまうのであろう。この保険のシステムの矛盾を、自動車泥棒達が突いているとしたら見事としかいいようがない。


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