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オーストラリアではスターバックスは人気がない [グローバルな問題]

スターバックスはオーストラリアでは調子が悪いそうである。2008年8月にはブリスベン、メルボン、シドニーを中心に61の店舗を閉鎖した。スターバックスがオーストラリアに進出したのは2000年。それから8年間の間に84店舗を展開したのだが、結局、23店舗と大幅に縮小することになってしまった。ちなみに日本は776店舗。人口比を考えても、オーストラリアの店舗数の少なさは相当のものである。このニュースが流れた時、アメリカでは約600店舗が閉鎖する予定であると発表されたが、そもそもアメリカには11434軒ほど存在する。縮小率を考えるとオーストラリアは73%減でアメリカはたったの5%程度である。

なぜ、オーストラリアでスターバックスは受けなかったのだろうか?それはオーストラリアには既に、都市型のコーヒー・カフェ文化が根づいており、それらの既存のカフェはスターバックスよりはるかに美味しいコーヒーを出していたからだと言う。特にメルボンのコーヒー・カフェ文化は秀でていたそうだ。個人的にはクイーンズランド州のマレーニという田舎町のカフェが印象に残っている。そんな抜群ではないが、スターバックスよりは美味しいコーヒーを出し、店舗の雰囲気はなかなかいい。地元の人が情報交換をするような形で使われている。私は、よそ者であるので、そのような仲間に入れないが、公共空間的な開放性、自由を感じることができるカフェであった。こういうカフェが存在するとスターバックスが入り込む余地はなかなかないであろう。スターバックスの商売が上手くいかなかったことで、ちょっとオーストラリアという国を見直した。

翻って、日本のことを顧みると、日本もスターバックスより美味しいコーヒーを出す喫茶店は数多もある。そして、サード・プレイスというかその地域の情報交換の場として機能している喫茶店も数多くある。それであるにも関わらず、スターバックスは結構、人気を博している。確かに、あのアメリカの文化を内包したような店舗の雰囲気を有している喫茶店はそれほど多くない。しかし、あの雰囲気をそんなに人々は有り難がっているのだろうか。スターバックスのオーストラリアの失敗によって、オーストラリアの消費者の方が日本の消費者よりセンスがいいのかもしれないと思っている。
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