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ニューメキシコ州の小売事情 [サステイナブルな問題]

ニューメキシコ州は結構、ウォルマートやKマートといったビッグ・リテール・ボックスが猛威をふるっている地域である。その状況は、三浦展氏との共著『下流同盟』でも紹介したが、今回は三浦氏と訪問したベレンやアルバカーキーといった西部ではなくて、東部の町ロズウェルやカールスバッドを巡っている。カールスバッドにはウォルマートのスーパー・センターが立地しており、ロズウェルにはビッグKマートが立地している。どちらも訪問した。カールスバッドのウォルマートは24時間営業である。食料品からアパレル、ビデオ、おもちゃ、コンピューター、カメラなどあらゆる商品が揃えられているといった印象を受ける。ビッグ・カメラとトイズ・アー・アス、イトーヨーカドーが合体したような凄まじいオール・カテゴリー・キラー、つまりオール・キラー的な店である。筆者はカメラのバッテリー・チャージャーを捜していたのだが、ビッグKマートにはまったくなく、カールスバッドの電気製品専門店であるラディオ・シャックに寄ったのだが、私のカメラに対応するものはなくて、駄目もとでウォルマートに行ったら手に入れることができた。ウォルマートの品揃えの良さに感心した次第である。また、少ないサンプルで一般化するのはなんだが、ビッグKマートの店員の愛想の悪さに比べると、ウォルマートの店員は遙かに親切であった。ウォルマートの存在を批判している私ではあるが、Kマートよりは優れたサービスを受けることができるのではないかと思った次第である。

しかし、ある意味でサービスも品揃えも優れたウォルマートが進出することはその町の商店には壊滅的なダメージを与える。カールスバッドでは、地元経営の店はほとんど見られず、多くのナショナル・チェーンのものも含む商店が潰れていた。それに比して、ロズウェルの中心通り沿いの商店の方がずっと元気があるような印象を受けた。消費者としてはKマートが進出するよりかはウォルマートが進出した方が有り難いのかもしれないが、商店街を破壊する力の強さを考えると、むしろKマートが進出した方が有り難いのかもしれない。しかし、実際、私のように商品を探している身からするとウォルマートの存在は有り難かった。コミュニティのことを考えるとウォルマートの進出は大きな問題であるが、商品を手に入れることを優先して考えるとウォルマートはいいビジネスをしていることは確かである。個人的にも矛盾した気分にさせられたウォルマートの利用であった。


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