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月刊『世論調査』が廃刊になったことで、紙媒体からインターネットへの時代の移行を感じる [その他]

世論の動向を知りたくて、大学の図書館に月刊『世論調査』を閲覧しに行くと、平成19年4月で廃刊になったとのこと。別に、内閣府が世論調査をするのを止めた訳ではなく、その結果をインターネットで公表するようにしたので雑誌という紙媒体では発売するのを止めたそうだ。一応、紙媒体での報告書も作成することはするのだが、それは内閣府に依頼して取得するという方法に変わったそうだ。

ふうん、そうなのか。私はこの変化に時代の流れを感じたのである。私は結構、紙媒体が好きである。まあ、本なのだが、本とか雑誌が好きだ。私の母親は、実家の私の蔵書をゴミだと思っているらしく、隙あらば捨てようと試みる。よく、こんな本がゴミと思うような母親の子供なのに大学教員になれたものだと自分に感心する一方、母親が私の貴重な蔵書を捨てたりするために、私が一流の大学教員になれないのかな、と思ったりもする。この間も実家にある筈の文献を探しに探したが消えていた。母親はシラを切っていたが、なんか怪しい。とはいえ、証拠もないので責めることも出来ず、もやもやとした気持ちが残る。この文献は洋書なのだがアマゾンでも買えず、図書館にもなく、怒るよりも悲しい気持ちになっている。

さて、どうして本とかが大切かというと、それは私の記憶媒体になっているからである。したがって、私にとって捨てられない貴重な本は自分が読んだ本である。読んでない本はそれほど重要ではない。読んだ本から私はいろいろと学んだりしたり、思考のきっかけをもらったりしている訳だが、年齢を重ねたせいか、そのことを忘れてしまっている。それを思い出させてくれるのは、本という物質そのものである。背表紙だったり、中身のページをぱらぱらとめくったりしていると、その本を読んだときの記憶が蘇ってくる。そうすると忘れ去っていた自分の考え、とか思考も思い出す。いわば、タイムカプセルのようなものだ。ハリー・ポッターの二巻『秘密の部屋』で、ボルドモートは自分の記憶を本の中に封印させ、ジニーの身体を使って再生しようとする。まあ、この企みはハリーに阻まれるのだが、本が人の記憶を封印させると考える私には非常に興味深いストーリー展開であった。

本は単に情報を蓄積しているだけでなく、ただパラパラと眺めているだけで、人の思考を広げるのにも役立つ。それは、別にインターネットでも可能なのかもしれないが、自分のペースで考える時などは、やはり紙媒体というのは使い勝手がいい。そして、記憶装置としては、コンピューターもそれなりに悪くないとは思うが、紙媒体が蓄積する記憶密度の方が高いような気がする。これは、紙媒体の方が閲覧はしやすいから。とはいえ、コンピューターのファイル検索機能も優れている。まあ、両者をうまく活用していくことが必要なのではないだろうか。

私は、とりあえず月刊『世論調査』のバック・ナンバーを50冊くらい図書館から借りてきた。横断的に比較するには、やはり、コンピュータより紙媒体の方が便利である。


ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2)

ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2)

  • 作者: J.K. ローリング
  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本



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