SSブログ

ロック業界でベテランが図に乗ってるのは、消費者の盲目的なビッグ・ネーム志向と怠慢が原因だと考える [ロック音楽]

昨日、ラーメン屋でサザンオールスターズを終始BGMで聴かされていらついたので、HMVにCDを購入しに行く。HMVがトリプルポイントデーということもあった。さて、そこで洋楽の新譜コーナーにいくと、AC/DCやガンズ・アンド・ローゼス、ザ・ポリスの新譜が置いてあった。えっ!という感じである。ガンズはともかくAC/DCなんて結成35年のバンドだ。今でも現役だったのか、ということにまず驚いた。

それにしても、最近は70年代に一世を風靡したロック・バンドももう還暦を迎えるような年齢になっているのに、相変わらずよく働く。最近、来日したバンドもザ・フーとかホワイトスネイクとかデフ・レパードやトト、ビリー・ジョエルとかの大ベテランだし、これから来日するバンドもロッド・スチュワートとかエリック・クラプトンとかエクストリームだったりする。なんか20年前と変わらないなあ。というか、エクストリームとガンズ以外は、30年前と変わらない。去年まで遡れば、ラッシュやジェネシス、レッド・ツエッペリン(一日だけだが)などの超絶ベテラン・バンドがライブを敢行していたし、どうもロックという音楽スタイルも、演歌やカントリーのように進化することを止めてしまったようでもある。

それにしても、2008年になってザ・フーを観にいくかね。もちろん観にいっていいのだろうが、もし、そこに往年のザ・フーを期待して行くとしたらちょっと外していると思うのである。ザ・フーなんて私が一歳の時にデビューしているからね。44年の大ベテランということである。ザ・フーはギターをステージでたたき壊すパフォーマンスの暴力性と、キース・ムーンの狂気と、それらに反する楽曲と詩の知性の高さ、何よりもピート・タウンゼントの紡ぎ出すリフの格好良さとメロディーの美しさが魅力の、私的にはローリング・ストーンズより好きであり評価の高いバンドである。とはいえ、彼らを2008年に観にいきたいとは全く思わない。これは、彼らを観て、私のザ・フーのイメージが壊されるのが嫌だと思うのと、また、今、彼らのライブ・パフォーマンスがそんなに素晴らしいものだとは思えないからである。どうせ観るなら、フーよりフー・ファイターの方を観たいね。私はピート・タウンゼントのソロのコンサートを1994年にカリフォルニアのバークレイ高校の講堂で観たことがある。多少、ザ・フーを期待していたが、1994年という時点でも肩すかしを喰らわされた。いや、なかなかクオリティの高いコンサートではあった。ザ・フーではなくてソロということもあるかもしれないが、1994年時点で私が観たピート・タウンゼントは、卒のないベテラン・ミュージシャンであり、ザ・トミーとかの映画で観た若くて攻撃的なピート・タウンゼントではもはやなかった。それが年齢を重ねるということであろう。同じことはツエッペリンでもいえる。わざわざ、そんなに有り難がって観ても、昔のツエッペリンとは違うからねえ。江川卓がピッチャーをやる試合を敢えて今、観たいと思わないのと同じである。今年の3月頃に間違ってトトを観たが、本当に金の無駄だと思わされた。30年前とはパフォーマンスのレベルが違う(昔も個人的には格好悪いとは思っていたが、さらに格好悪くなっていた)。親爺の金稼ぎにつきあっていられない、という感じであった。

最近、来日する外タレでも食指が動くのはレディオヘッドやコールドプレイ、ヴァーブ、プライマル・スクリーム、ステレオフォニックスなどである。キーンやミューズなんかが来日したら是非とも観に行きたいと思っている。しかし、こういう風に書いている彼らの多くも既にベテランなのである。ただし90年代から活動しているし、ヴァーブを除けば、皆、継続的に活動している。こういうバンドが、昔のバンドに比べて大きく劣っているとは全然、思わないのである。しかも、彼らは若いし、これから創造するエネルギーと可能性を有している。まあ、ここで挙げたバンドの幾つかは既に旬を過ぎているだろうが、それでも還暦を過ぎたお爺さん達の金稼ぎにつきあうよりかは遙かにましである。昨日は、サザンオールスターズについてむかついたが、結構、こういうロックが産業化し、その金儲けシステムが固定され、既得権を持つ者がなかなか引退しないで、そして馬鹿な消費者がそれらを支持することで、新しい価値や文化の胎動に気付かない怠慢が、世界規模で展開していることに気付いた次第である。

随分と偉そうなことを書いてしまった。こういうことを書いた癖に、ガンズ・アンド・ローゼスとAC/DCの新譜は思わず買ってしまった。ちなみにAC/DCのコピーは「これぞ偉大なるマンネリズム」。まあ、ロックもマンネリズムに陥って、それでよしとする人達が多数を占めるようになったということか。それをギャグ化して正当化できるというのもAC/DCの凄さかもしれない。なんたって、あのMTVのお下品アニメ、「ビーバス・アンド・バットヘッド」のフェイバレット・バンドなのだから。ちなみに今日の第一の目的であったオアシスの新譜の「ディグ・アウト・ユア・ソウル」。これも結構、マンネリズムの地平に到達しているような気がする。オアシスは最初の2枚のアルバムをまったく越えられないで、うろちょろしているような気がする。大リーグで最初の2年に大活躍をして、大スターになったのだが、打率2割9分くらいの成績しか残せないような感じだ。とはいえ、個人的にはその成績でも好きなんだけど。あと、ベテランのロック・ミュージシャンのことを結構、ぼろくそに書いたが、私が今でも絶対観たいベテラン・バンドのコンサートはジェネシスのそれである。ラッシュにも行くかもしれない。なぜなら、彼らは昔ほどではないが、相変わらずしっかりとしたテクニックを有しており、そのアンサンブルの質も高いからである。ザ・フーやレッド・ツエッペリン、ローリング・ストーンズのような体力系、暴力系、格好良さが売りのバンドは年を重ねるときついが、ジェネシスとかラッシュとかは、そもそも複雑な楽曲の構成や演奏技術が売りだからね。ジェネシスの場合は、今年初めに出たライブが思ったよりはるかに優れていて、これを見逃したことを今でも後悔しているということもある。




ブラック アイス

ブラック アイス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/10/22
  • メディア: CD



チャイニーズ・デモクラシー(初回限定)(SHM-CD)

チャイニーズ・デモクラシー(初回限定)(SHM-CD)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL INTERNATIONAL(P)(M)
  • 発売日: 2008/11/22
  • メディア: CD



ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付)

ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: CD




Beavis and Butt-Head

Beavis and Butt-Head

  • 出版社/メーカー: MTV
  • メディア: DVD



ホエン・イン・ローマ...ジェネシス 2007

ホエン・イン・ローマ...ジェネシス 2007

  • 出版社/メーカー: TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(D)
  • メディア: DVD



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0