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功山寺の吉祥で粥御膳を食べる [B級グルメ雑感]

下関の名刹である功山寺を訪れる。祖母の墓参りである。広島まで来ているので、ちょっと足を伸ばしたのである。功山寺は瀬戸内海を見下ろす長府の丘にある曹洞宗の寺院である。長府毛利家の菩提寺として、そして仏殿が鎌倉の円覚寺舎利殿とともに我が国最古の禅寺様式のものであることで知られる。国宝の指定を受けている。

まあ、このお寺のことはともかくとして、ここで書きたいのは、このお寺の隣にある吉祥という店で食べた粥御膳のことである。粥御膳は、まあお粥を主体とした精進料理なのであるが、ここのは大変、美味しい。栗のお粥に、冬瓜と人参などの野菜の煮物、ほうれん草とキノコのおひたし、胡麻豆腐、イチジクの揚げ物、お新香、お味噌汁。これで2980円である。京都だったら10000円は請求されるようなグレードであると思われる。いや、この吉祥でも6000円は取れるだろう。最近は守っていないが、基本、ベジタリアンの私にとっては、大いに嬉しいご馳走である。それにしても精進料理のくせに、こんなに美味しくしてしまうなんて、随分と欲が深い。まあ、肉を食べないでいて、それでも美味しい料理をつくるという姿勢と努力は大いに評価されるべきものであろう。イギリス人の庶民は、その昔、肉が食べられないので、肉と似た味のする料理としてヨークシャー・プディングを開発した。このヨークシャー・プディングは何回か食べたことがあるが、基本的に不味い。まあ、イギリスで食べた料理で美味しいと思ったのは、朝食の卵焼きくらいであるから、ヨークシャー・プディングが不味いのは、ヨークシャー・プディングだけのせいではないかもしれないが、そういうものと比較すると、日本人の食に対しての執着、どん欲さを感じ取ってしまう。まあ、日本人である私はそれで幸せな気分になれるのでいいのであるが。

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ヨークシャー・プディングで思い出したが、鮑キノコを最近、中華料理屋で食べたが、あれは食感は違うが、味とかは相当鮑に似ている。一緒に食べた学生に、この鮑、美味いだろう、と言ったら、「いや、本当に美味いっす」と嬉しそうに答えていた。鮑が取れなくなったら、鮑キノコを食べればいいのである。極力、鮑のような味をする料理の技術の高さは、貴重な食材の食料不足を解決させるかもしれない。ヨークシャー・プディングももっと美味しい牛肉の味に近づけることができたら、牛を食べなくても済むようになるのだが。できれば、牛肉より美味しくできたらさらにいい。そうすれば、随分と地球環境に与える負荷を減らすことができるであろう。


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