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ジョー・ライト監督の映画『つぐない』は傑作だ! [映画批評]

ジョー・ライト監督の『つぐない』を観る。イアン・マキューアンの同名小説の映画化である。高級官僚の娘セシーリアが使用人の息子ロビーと身分を越えて愛し合うが、セシーリアの13歳の妹のブライオニーの嘘によって引き裂かれてしまう。ブライオニーはその後、売れっ子小説家になり、生涯最後の作品でこの二人を主人公とした小説を書くのだが・・・・(流石にこれ以上を書くのは日本では公開前なので憚れる)。ロビー役のジェームズ・マカヴォイも相当、いい味を出しているが、セシーリア役のキーラ・ナイトレイが何しろ素晴らしい。高嶺の花的な美貌の傲慢女性を表現させたら、もはやなかなか右に出る女優はいないんじゃないだろうか。『ベッカムに恋して』のお転婆少女がよくこんなに、気高い雰囲気を発する女優になったものである。映画自体も非常に質が高く、久しぶりに映画の素晴らしさ、表現手段としての強さを改めて知らしめてくれた傑作である。こういう傑作に出会うと、本当、映画が好きになる。脚本もいい。最後の最後になって、はじめて真実を知らされる。その真実は、ある意味で本当に救いようがないのだが、しかし、常に前向きに将来を信じて生きていた二人の生き様は観る者に大きな感動を与える。先日のアカデミー賞では7部門にノミネートされ、作曲賞が受賞されたが、作品賞こそ受賞すべき傑作であったのではないか(作品賞はコーエン兄弟のノーカントリー)。日本では4月の中旬ごろから封切られるようだが、観て損のない映画であると思われる。まあ、私のような感傷的なタイプにとってはマスト・シィーの映画ではある。


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  • メディア: DVD



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