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ゴングのタイム・イズ・ザ・キーを20年ぶりくらいに聴く [ロック音楽]

これだけ生きており、レコードやCDにたくさんお金をかけていると、脳天をハンマーで叩かれたような衝撃的な感動を与えてくれる音楽と出会うことがある。最近は、iPodのおかげで、多くの曲をまた聴くようになり、またハードディスクに自分の好きな音楽を溜め込みたくなっている。ということで、以前レコードで所有していたが、CDでは買わずに放っておいたアルバムを購入するようになっている。例えば、ロキシー・ミュージックやキング・クリムゾン、UKなどである。要するに、高校時代にはまったプログレ(ロキシーがプログレかどうかは疑問ではあるが)で、それほどその後の人生において執着をせずにCDを買う必然性も感じられなかったものを、また買い集めるようになっているのである。そこで、今日はゴングである。このゴングというバンドの歴史は錯綜している。今、ゴングというバンドといったが、このゴングはメンバーがしょっちゅう変わり、バンドというよりかは、ある特異な場であり、この場に居合わせた人達が創造活動をともにして、それをゴングというブランドで発表しているという感じもする。しかし、その中で中心的に位置づけられたのが、ピエール・ムーランズというフランス人のパーカッショニストである。そして、実質的にピエール・ムーランズがゴングを率いた時期もあり、そのゴングを通常、ピエール・ムーランズ・ゴングという。このピエール・ムーランズ・ゴングは、79年から88年までに6枚のアルバムを発表しているのだが、そのうち最初の4枚が2006年!にまた再発売されたのである。25年くらい前に私が購入した時のアルバムは日本版がなく(発売されていたのかも不明)、輸入盤であったにも関わらず、2007年になって、日本版のCDが手に入るなんて感動である。ライブやリーブ・イット・オープンも購入したのだが、やはり何といっても素晴らしいのはタイム・イズ・ザ・キーである。タイム・イズ・ザ・キーは、ほとんどピエールの独壇場であり、最初の2曲はソロである。この2曲を聴いた時は本当に脳天をぶち抜かれたような衝撃を受けた。まさにパーカッションだけで音宇宙がつくりあげられている。3曲目のSupermarketで初めてピエール以外の楽器が入ってくるのだが、ギターのカッティングの音がうるさく感じられる。しかし、最後のアラベスクからタイム・イズ・ザ・キーまでの3曲はギターがアラン・ホールズワースになって、全然ギターのドライブがよくなり、感動する。というか、アラン・ホールズワースのギターは相変わらず凄く、大学時代に中野サンプラザに行ったコンサートで目を丸くした衝撃を、今でも新たにすることができる。

それにしても思うのは、高校時代や大学時代に聴いていて、また聴きたい音楽と聴きたくない音楽とに分かれることである。ゴングなどは、今でもCDを改めて購入してよかったと強く思うアーティストである。もちろん、今でもデューク以前のジェネシスやピーターガブリエルは好んで聴くし、ケート・ブッシュやXTC、ピンク・フロイドやイエスも聴く。しかしである。スティックスやボストン、ジャーニー、ELPとかは今、聴いてもうるさいだけで、なんか油が多く入った中華料理のような感じでどうもあまり、聴きたいとは思わない。ここらへんは我ながら面白い。今度、暇があればじっくりと考えてみたい。

タイム・イズ・ザ・キー(紙ジャケット仕様)

タイム・イズ・ザ・キー(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ピエール・ムーランズ・ゴング
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/10/25
  • メディア: CD


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