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板橋宿を訪れ、仲宿の商店街に感心する [都市デザイン]

板橋宿を訪れる。板橋宿は4宿の一つであるが、千住、品川と比べても地味で、またあまり史跡なども残っていない。千住と比較しても、そのコンテンツの少なさが気になる。コンテンツはどこに消えたかというとマンションになってしまっている場合が多いのである。板橋区の名前の由来となった「板橋」と幾つかの寺社、そして石碑がその名残を今に伝えるが、4宿の中でも最も江戸時代の宿場町が感じられなくなってしまっている。残念である。

しかし、それとは別に仲宿の商店街は素晴らしかった。店舗密度、連続性、人の混み具合、自動車の通過交通の少なさ(歩行者天国の時間は当たり前だがゼロ)など賑わいを持つ商店街の条件を満たしている。砂町銀座とまではいかないが、都内でも珍しい空間的な質の高い商店街である。特に、1キロメートル近く、その連続性を遮断する道路がないところは素晴らしい。そのような素晴らしい商店街においても、10階以上の高層マンションがつくられたりして、貴重な連続性が途切れる場所ができた。このマンションを建築したものは、非常に愚かにもセットバックまでして、用途だけでなく空間的な連続性までぶった切ってしまっているのである。空間の豊かさなどをまったく理解していない愚かで、また罰当たりな設計である。このような設計のマンションは下北沢でもみられた。イタズラに無駄な空地をつくっても、そこの空間は豊かになるどころか、より貧相になるのである。商店街の外れに誰もいない「ふれあい広場」といった空間があった。これなども、人の行動パターンがまったく分からない役人的な発想のもとにつくられた無駄な空間である。こういうイマジネーションが欠落した設計者による、空間の豊かさを殺す公共空間がいかに多いことか。

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タグ:板橋宿 仲宿
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